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近年、AIの進化は目覚ましく、私たちの暮らしや仕事のあり方にも大きな影響を与え始めています。生活が便利になり仕事が効率化される一方で、一部の企業ではAI活用によってコスト削減や人員削減の計画を進めています。
そのため「AIによって仕事が奪われるのでは?」「IT業界の仕事はなくなる?」と不安や懸念の声が多いのも事実です。特にIT業界ではAIと密接に関わっているため、その影響がどの程度かを知りたい方も多いでしょう。
本記事では、AIの現段階での進化に触れ、IT業界の仕事への影響、AIに代替されやすい仕事・されにくい仕事の特徴、そしてこれからの時代に必要とされるスキルやキャリア選びのポイントについて分かりやすく解説します。
AIとは?
ビジネスや日常生活の中で「AI(人工知能)」という言葉を目にする機会が増えています。ここでは、AIがどのような技術なのかを紹介しながら、ITとの違いについても解説していきます。
そもそもAIって何のこと?
AIとは、「Artificial Intelligence(人工知能)」の略称で、人間が脳内で「考える」「学ぶ」「計算する」といったことをコンピューターで実現する技術のことです。
例えば、スマートフォンの音声アシスタントや、自動車の自動運転や補助機能、Webサイトでおすすめの商品を表示する機能、問い合わせに回答するチャットボットなど、私たちの生活の中でもすでにAIは多くの場面で使われています。
AIの特徴は、ルール通りに動くだけではなく、大量のデータからパターンを見つけて自ら学べる点です。近年では、機械学習(マシンラーニング)や深層学習(ディープラーニング)といった技術が進化し、AIはより高度な分析や判断が可能になっています。
さらに、人間が創作するように画像データや文章の生成ができる「生成AI」も登場・進化しており、さまざまな場面で活用が広がっています。
AIとITの違い
AIとITは似ていますが、明確な違いがあります。それは「AIはITの一部の技術である」という点です。
ITとは「Information Technology(情報技術)」の略称で、パソコンなどのコンピューター、ネットワーク、ソフトウェア、データベースなど、情報を扱うための仕組みを構築する技術全般のことを指します。
一方でAIは、ITを使って人間のような学習や判断を実現しようとする技術であり、ITの中でも特に自動化や分析を得意とします。
ITはAIを支える基盤という関係にあり、AIの実現にはITの技術が不可欠です。
AIはどこまで進化している?
AIは今や特別な存在ではなく、私たちの身近なところで活用されるようになってきました。ここでは、生活やビジネスの現場でどのようにAIが使われているのかを見ていきましょう。
身近にあるAIの例
AIはすでに私たちの生活のさまざまな場面で使われており、身近な存在になっています。例えば、スマートフォンの音声アシスタントや、自動車の自動運転や補助機能、Webサイトでの問い合わせに回答するチャットボットなども、全てAI技術によって実現されています。
コンビニやスーパーのセルフレジに導入されている画像認識システムや、AIによる自動翻訳・文字起こしといったツールもAI技術によるものです。
また代表的なAI家電に、掃除ロボットが挙げられますが、他の種類の家電製品にもAIを内蔵したものが出ています。例えば、AI搭載の冷蔵庫は、自動節電やメニュー考案、スマートフォンとの連携で在庫確認ができる物があります。
企業でのAI活用例
AIは個人の生活だけではなく、企業活動のさまざまな場面でも活用が広がっています。
コールセンターでは、問い合わせの自動分類やチャットボットによる対応によって、顧客満足度の向上や業務負荷の軽減が図られています。
大手の通販サイトでは、需要予測や在庫管理の最適化といった用途で、AIの分析・予測力が実際の業務に役立てられ、過去に起きたパンデミック時には、急激な需要増加にも対応できました。さらに、金融業界では信用リスクの評価、医療分野では画像診断のサポートなどもAI活用の一例です。
近年では、生成AIが資料作成や議事録作成、システムのソースコード作成などにも活用されるようになり、かかっていた時間を大幅に短縮できた企業もあります。
AIでIT業界の仕事はどう変わる?
AIの進化は、IT業界の働き方や業務のあり方に大きな変化をもたらしています。ここでは、AIによる業務の自動化、ITエンジニアの役割の変化、新たに生まれる職種の3つの視点から見ていきます。
AIによる業務の自動化・効率化が進む
AIの導入により、単純作業やルーティン業務は自動化が進んでいます。これらはルールに基づいた作業が多いため、AIの活用によって効率化しやすい分野です。それによって、人間はより創造性が必要な仕事や、戦略的思考を求められる仕事に時間を割けるようになっています。
企業にとっては、業務の効率化や生産性の向上といったメリットが得られる一方で、単純作業やルーティン業務に当たる人は、業務内容に影響が出る可能性があるでしょう。
ITエンジニアの役割が変化する
AIの普及により、ITエンジニアはこれまで以上に柔軟な発想が求められるようになります。また上流工程での関与も必要になってくるかもしれません。
単純な作業はAIに代替される可能性がありますが、AIの仕組みを理解し、適切に設計・運用するスキルはより重視されるようになります。ITエンジニアには、技術だけではなくAIを活用する視点や、業務と技術をつなぐ橋渡し役としての力も必要になるでしょう。
AI関連の新しい仕事も登場する
AIの発展に伴い、AIエンジニアやデータサイエンティスト、プロンプトエンジニアなどの新しい職種が登場しています。これらの職種は、AIを活用して課題を解決したり、業務効率を高めたりする職種です。システムを作る仕事だけではなく、AIを生かす仕事の存在が重要になっており、AI関連のキャリアはさらに広がっていくでしょう。
AIが仕事を奪うって本当?
AIの進化が進む中で、「自分の仕事が将来AIに取って代わられてしまうのではないか」と不安を感じる人もいるでしょう。こうした懸念の背景には、AIによる業務の自動化がすでに現実のものとなっていることがあります。
中でも広く知られているのが、オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授らが2013年に発表した論文です。この研究では、「今後10〜20年のうちに、米国における労働人口の47%が機械によって代替される可能性が70%以上」との予測が明示されました。この発表は大きな話題となり、AIによって多くの仕事が失われるのではないかという不安を社会全体に広げるきっかけとなりました。
実際、単純な作業や繰り返しの多い業務などは、AIによってすでに自動化が進んでいる分野です。今後も技術の進展とともに、人の手を必要としない業務領域は広がっていくと考えられています。
※参考:独立行政法人経済産業研究所「AIが日本の雇用に与える影響の将来予測と政策提言」
「AIに仕事は奪われない」という反論も
AIはルール化された業務や大量のデータ処理には強みを持ちますが、全ての仕事を代替できるわけではありません。
例えば、相手の気持ちをくみ取りながら信頼関係を築く、ユーザー視点でサービスを設計するなど、人間の感性や柔軟な思考が求められる仕事はビジネスにおいて重要です。
またAIを導入・活用するためには、技術を理解し適切に設計・調整する必要がありますが、AIにその役割を与えるのは人間だということです。過去の産業革命に人類が適応してきたように、人はAIの進化にも適応していくと考えられています。
AIに奪われる仕事・奪われない仕事とは?
AIの導入が進む中で、AIに代替されやすい仕事・代替されにくい仕事にはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは、それぞれの違いを整理していきます。
AIに奪われる仕事の特徴
AIに代替されやすいのは、ルールに沿って繰り返される定型的な業務です。例えば、データ入力や在庫管理、経理処理、書類チェックなどはすでに自動化が進んでいます。これらは正確性とスピードが求められ、AIで効率化しやすい作業です。
IT業界でも、マニュアル通りの運用監視や、単純なコード生成などは自動化の対象となる可能性があります。
AIに奪われない仕事の特徴
AIに置き換えられにくい仕事には、創造性・柔軟な判断・人とのコミュニケーションが求められるという特徴があります。
例えば、コンサルタントやデザイナー、データアーキテクトなどは、状況に応じた提案や感情の理解が必要なため、AIでの代替が難しい職種の一例です。またAIそのものを活用・管理する仕事も増えています。エンジニア、プロジェクトマネージャー、データサイエンティストなどは、今後も需要が高まると見られています。
これからの時代は、「AIに任せるべきこと」と「人にしかできないこと」を見極めていく視点がますます重要になるでしょう。
AI時代に求められるスキル
AIの普及によって、IT業界をはじめとするさまざまな分野で求められるスキルが変化しつつあります。ここでは、AI時代に特に重視されるスキルを3つの視点から紹介します。
AIに関する知識や技術
AIの仕組みや活用方法を理解しておくことは、どの職種でも大切です。プログラミングや機械学習の基礎知識があれば、業務の改善やサービス向上にもつながるでしょう。
AIの技術を全て専門レベルで学ぶ必要はありませんが、AIを適切に活用する力は、今後ますます求められます。
課題解決力・創造力
AIはルール通りの作業は得意でも、正解のない課題に対応することは現状苦手です。だからこそ、現場の課題を発見し、柔軟に考えて解決へ導く力が重要です。技術をどう活用するかを考えるのは人間の役割なので、発想力や提案力がより一層求められるようになるでしょう。
コミュニケーション力
ビジネスを推進する上では、技術的なスキルだけではなく、社内外の関係者と円滑に連携し、相手の意図を正確にくみ取るコミュニケーション力も不可欠です。特に、チームでAIを活用するプロジェクトでは、プロジェクトリーダーやエンジニア、営業など異なる立場の人と協力する場面が多くあります。相手にわかりやすく説明したり、要望をすり合わせたりする力は、AI時代においても変わらず必要なスキルです。
IT業界を目指す際のポイント
AIやITに興味があっても、具体的な進路を決めるのは簡単ではありません。ここでは、IT業界を目指す上で押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
自己分析とIT業界・職種のリサーチを欠かさない
IT業界にはシステム開発、ネットワーク、デザイン、セキュリティなど多くの職種があります。自分の適性を知り、向いている分野を見極めるには自己分析が大切です。
同時に、IT業界全体の動向や企業研究、職種ごとの仕事内容、求められるスキルを調べておくことで、ミスマッチを防ぎ、納得感のあるキャリア選択ができます。
継続的に学ぶ姿勢を持つ
ITやAIの技術は常に進化しています。最新技術への関心を持ち、得意分野を中心にスキルアップしていくことで、長く活躍できる人材へと成長していけるはずです。変化のスピードが早い分野だからこそ、「自ら学び続ける力」が重視されるスキルといえるでしょう。
専門学校やスクールで学ぶという選択肢も
IT業界を目指す場合、独学でも学習は可能ですが、基礎から実践的なスキルを効率よく身に付けたい方には、専門学校やIT系スクールの活用もおすすめです。特に未経験者の場合、実務を想定したカリキュラムや、就職サポートがある教育機関であれば心強いでしょう。
仙台工科専門学校には、未経験からIT業界での活躍を目指せる「情報システム学科」「高度情報システム学科」があります。実践的なカリキュラムと就職に強いのが特長です。
まとめ
AI技術の進化によって、IT業界の仕事や求められるスキルには大きな変化が起きています。確かに一部の仕事はAIに代替される可能性がありますが、それと同時に人にしかできない役割の重要性も高まっています。今後は、AIと共存しながら価値を生み出せる人材がますます求められるでしょう。
IT業界に興味がある方は、まずは基礎知識を身に付け、自分に合った職種や働き方を見つけることが大切です。その上で、スキルアップに向けて具体的な学びを始めることが、将来の選択肢を広げる第一歩になります。
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