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「人工知能技術の発展により約半数の仕事はAIやロボットに代替される」との調査が発表され、将来どのような仕事に就けば良いのか不安に思う人もいるでしょう。単純作業やデータ処理が中心の仕事はなくなる可能性が高いものの、AIの開発やメンテナンスなど、IT関連の仕事は今後もなくならないと予想されており、高い需要が見込まれています。
本記事では、AIの発展によりなくなる仕事となくならない仕事の具体例と、AI時代に身に付けるべきおすすめのスキルを解説します。
AI(人口知能)の得意・不得意
AI(人口知能)とは、簡単にいえば人間の知能を模したコンピュータープログラムです。人間と同様に自己学習能力を持ち、AI自身が学習により知識を広げていきます。 人間の仕事がAIやロボットに代替されるかもしれないのではないかと考え、将来どのような仕事に就けば良いか迷う人も少なくないでしょう。
しかし、AIはどのような仕事でもできるわけではありません。やみくもに心配するよりも、まずは、AIの得意・不得意を理解し職業選択に役立てましょう。
※参考:内閣府「第1章 AIで変わる労働市場(第1節)」
AI(人口知能)の得意・不得意
AIは以下のような仕事で、人間以上の能力を発揮します。
- 大量のデータの処理と分析
- ルールに従った定型的で反復的な作業
- データを元にした予測や最適化
- 画像や音声の認識
- 自然言語を用いた文章の生成
- 指示された画像・映像・音楽の生成
データの収集や分析がメインの仕事や、専門性が不要な仕事、人間らしさがいらない仕事は、AIに代替される可能性が高くなります。
AI の不得意な仕事
一方で、AIは以下のような仕事には向いていません。
- コミュニケーションや感情理解が必要な仕事
- 独創性の高いクリエイティブな仕事
- 臨機応変な対応が必要な仕事
- 倫理的・道徳的な判断が必要な仕事
- 体を動かした繊細な作業を必要とする仕事
- 少ないデータから推論する必要がある仕事
芸術作品を一から作る、保育や介護のような個々人にあったサービスを提供するなども苦手です。また裁判のような倫理観が必要な業務、災害時の対応にも適していません。
AI によってなくなる仕事10選
AIの特徴を踏まえ、将来なくなると予想されている仕事を10種類紹介します。
- 一般事務員
- コールオペレーター
- レジ係
- フロントスタッフ
- 運転手
- 工場作業員
- ライター
- 翻訳家
- 証券アナリスト
- 税理士
1. 一般事務員
データ入力や書類作成、電話対応のような単純作業は、AIや自動化システムが得意とするため、代替される可能性が高いです。今後、事務職で生き残るためには、システムやAIを使いこなすことが求められるでしょう。
2. コールオペレーター
AIは音声認識や自然言語処理を得意とし、現在でも問い合わせのような単純な業務の代替が進んでいます。一方、苦情対応などはAIでの代替に至っていません。コールオペレーターは今後、より高度なコミュニケーション能力が求められるでしょう。
3. レジ係
電子決済やセルフレジの導入が進んでいるため、レジ係の仕事はなくなる可能性が高いです。一方で、人との交流の場が減り、買い物で会話を楽しみたいなどの需要も生まれています。今後もレジの仕事をするためには、会話力や共感力などより人間らしいスキルが必要になるかもしれません。
4. フロントスタッフ
予約内容の確認や精算など、ホテルのフロントスタッフ業務の多くはAIやシステムで代替が可能であり、現時点でも自動チェックインが進んでいます。ホテルスタッフはフロントの仕事がなくなる代わりに、顧客満足度の向上などより中核的な業務を担う時間が増えるでしょう。
5. 運転手
自動運転技術の発達により、電車や飛行機、タクシーなどの運転手は将来的に不要になるとされています。一方で、現時点の技術ではトラブル時の対応が難しく、法整備の観点からも完全自動化には至っていません。数年程度で代替されるとは考えにくいでしょう。
6. 工場作業員
工場労働は単純で反復的な作業が多いため、AIやシステムで代替がしやすく、作業効率の改善も期待できます。大規模工場の多くは機械での代替が進む一方、手作りにこだわる工場も残るため、二極化が予想されます。職人のような手作業の技術を身に付けることは、生き残り方法の一つです。
7. ライター
AIは大量の情報に基づく記事の作成や要約を得意としています。単に情報を集め、データや数値を元にした記事の作成は代替される可能性が高いでしょう。一方で、AIには実際の取材や、体験や感情をベースとした記事の作成はできません。今後、ライターにはよりオリジナリティの高い表現が求められると予想されます。
8. 翻訳家
AIやシステムの翻訳精度は年々向上しており、単純な日常会話や形式的なビジネス文章であれば実用化レベルに達しているとの見方もあります。一方、高度な専門性が必要な文章や詩的表現の翻訳はまだ難しいため、これらのスキルが翻訳家に求められるでしょう。
9. 証券アナリスト
証券アナリストはデータを元に株価予想や評価をする仕事です。AIはデータの処理や分析が得意なため、単純な投資評価などの仕事はなくなる可能性が高いです。しかし、経済予測を反映した投資判断などはまだ困難であり、顧客と信頼関係を築くこともできません。アナリストは経験値とコミュニケーション能力の向上が必要と考えられます。
10. 税理士
税務処理や税務申告書の作成など、データの処理や書類作成が中心の仕事は、AIだけではなく会計ソフトでも自動化が進んでいます。申告書の作成代行などが中心の税理士であれば、代替の可能性は高いでしょう。一方、税務相談やアドバイスなどはAIには難しいため、今後も人間が担うと予想されます。
AI が普及してもなくならない仕事9選
AIが普及してもなくならない仕事と予想されているものは以下の通りです。
- ITエンジニア
- 裁判官
- 医師
- 看護師
- 介護職
- 保育士
- カウンセラー
- スポーツ選手
- 芸術家
1. IT エンジニア
ITエンジニアとは、IT(情報技術)の専門知識を生かし、技術開発や運用・保守などを行う職業の総称です。社会のIT化が進むと、AIやロボット、システムなどの開発を行う人材だけではなく、これらの整備や点検を行う職業も増加します。また、日本では2030年までに約79万人のIT人材が不足すると試算されているため、なくならないだけではなく今後需要が拡大すると考えられる仕事です(※)。
なお、仙台工科専門学校には総合ITエンジニアを目指せる「情報システム学科」や「高度情報システム学科」があり、ITエンジニアになるためのスキルを身に付けられます。
※参考:経済産業省.「IT分野について」
2. 裁判官
裁判では単に条文に当てはめ判決を下すだけではなく、事件に関わる人たちが納得できるように調整したり、刑を選択したりする必要があります。AIは倫理や道徳に基づく複雑な処理や、責任の伴う判断はできません。また、人がAIに裁かれることを許容できるのかという問題もあります。そのため、裁判官は今後も人間が担う可能性が高いでしょう。
3. 医師
画像やデータを元にした診断など、医師の仕事の一部ではAIの活用が進んでいるものの、完全に代替するのは困難でしょう。医師の仕事の中には、声色など非言語をベースにした問診、患者さんの容態や希望に合った治療の提案など、人間的なやり取りが多く含まれるためです。
4. 看護師
看護師は患者さんとのコミュニケーションを取る場面が多く、痛みへの理解や配慮、共感など、思いやり優しさも求められます。人間らしい会話はAIで代替が難しく、今後もなくならない仕事と考えられます。なお、バイタル確認や事務作業など一部業務にはAIが活用できるため、業務の効率化は可能です。
5. 介護職
介護の仕事は、利用者一人ひとりに応じたケアが必要なだけではなく、人が介助するぬくもりも大切です。そのため、AI搭載の介護ロボットなどが登場しても、人が行う介護の仕事は残り続けるでしょう。なお、介護の現場でも利用者の体調情報の管理や事務処理はAIの導入が進んでいるため、職場環境は改善されると予想されます。
6. 保育士
保育士は、それぞれの子どもの成長や、その日の状態に合わせた対処が必要です。また、体や心の成長を支える仕事でもあるため、AIが発達しても人が担うと予想されます。なお、保育の現場でも、AIを活用した安全性の向上や業務負担の軽減が進んでいます。例えば、センサーを活用し、昼寝中のうつ伏せをアラートで知らせるなどです。
7. カウンセラー
AIカウンセラーが普及しているものの、人間のカウンセラーの仕事はなくならないと予想されます。カウンセラーは対話を通じて、相談者自身が問題を解決できるようにサポートする仕事で、対話では共感や経験を基にしたアドバイスなどが求められます。AIではなく人に相談したいという需要はなくならないと予想されるため、今後も人間のカウンセラーは求められるでしょう。
8. スポーツ選手
スポーツ選手はその競技の技術力だけではなく、個人のパフォーマンスやチームプレイ、成長やけがの克服など、選手それぞれのドラマも魅力です。AIやロボットでスポーツの再現はできても、観客を引き込む熱狂を作り出すことは難しいでしょう。今後も人間が選手を担うと予想されます。
9. 芸術家
文章や画像、音楽、映像の生成はAIでも可能です。しかし、芸術とは、単に技術が優れていれば成り立つものではありません。芸術家自身の思想など、主観的な感覚を表現することで成り立ちます。また、これらの表現が社会や個人に受け入れられなければなりません。芸術的な要素を必要とする仕事はAIでの代替が困難なため、今後もなくならないでしょう。
AI が普及した現代や将来的に必要なスキル・能力
社会のデジタル化が進み、AIが普及しつつある今の時代に必要なスキル・能力は次の通りです。
- AIやITに関するスキル
- 変化対応力
- 人間性
AI やITに関するスキル
AIが仕事を奪うのではなく、AIやITスキルのある人材が多くの仕事を担うようになります。そのため、安定した収入を得たい方はITやAIに関するスキルを取得しておくことが大切です。また、能力を証明する資格は就職時だけではなく、昇進や昇給のときも有利に働きます。
またAIの登場により新たに生まれた仕事も多くあります。例えば、AIの開発を行うAIエンジニアや、学習支援をするAIトレーナーなどです。AI関連の仕事は需要があるものの、能力のある人材がまだ多くありません。IT関連のスキルがあれば、競争率が低く高収入を目指せる新しい仕事にも就きやすいでしょう。
変化対応力
18世紀の産業革命が示す通り、技術革新による産業構造の変化は止められません。今後もAI技術は発達し続け新たな技術革新が生まれるでしょう。そのため、変化を拒絶するのではなく受け入れて柔軟に対応する「変化対応力」が重要になります。変化対応力を高めるためにも、新しいことは否定せず、まずは取り入れてみることが大切です。
人間性
AIが発達しても、コミュニケーション能力や共感能力など、人間らしい能力は仕事に生かせるでしょう。また仮にAIに仕事を代替されても、人間性を生かして別の環境で働ける可能性が高くなります。共感や思いやりなど、AIが発展しても必要とされる能力は人間性がベースのため、相手の立場に立って考える、自身の成長のために努力するなどを日頃から意識しましょう。
今後はAIとの共存が働く上で重要になる
AI技術の発展により、今後は単純作業やデータ処理が中心の仕事はなくなる可能性が高いです。一方で、AIエンジニアのように新たな仕事が生まれ、AIの活用により業務効率が飛躍的に改善する可能性も高いです。これからはITやAIに関するスキルを身に付けることが、仕事を続ける上で重要になると予想されます。
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