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専門実践教育訓練給付金をどこよりもわかりやすく解説 | 対象者・支給額・申請方法をまとめて紹介

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    新たな学びに投資したくても、経済的な制約から満足に学べない方も多くいます。こうした方に向けた取り組みとして、「専門実践教育訓練給付金」があるのをご存じでしょうか。

    今回は専門実践教育訓練給付金について、はじめての方でもわかりやすく解説します。

    受給手続きをはじめ、給付金の詳しい情報をまとめています

    本記事を参考に国から援助される給付金を有効活用し、自己成長に役立てましょう。

    専門実践教育訓練給付金とは?

    専門実践教育訓練給付金とは、労働者の中長期的なキャリア形成を支援し、雇用安定と再就職の促進を目的とした給付金制度です。

    雇用保険の教育訓練給付のひとつで、厚生労働大臣が指定する専門実践教育訓練を受講中、または受講し終えたあと本人が支払った費用の一部をハローワークが支給します。

    給付率 対象講座の具体例
    専門実践教育訓練 50%+20%+10% 介護福祉士・看護師・美容師・社会福祉士・保育士・歯科衛生士や専門学校の職業実践専門課程に認定されている学科など

    専門実践教育訓練給付金の支給対象者

    本制度の給付金は、厚生労働大臣指定の講座を修了する見込みの方を対象としています。

    また、給付金の支給を受けるには決められた講座の修了以外に2つの下記条件があります。

    1. 受講開始までに雇用保険に2年以上加入している
    2. 受給を希望する方が在職中もしくは離職後1年以内である

    こうした条件は雇用保険の給付制度を利用するうえでの基本的要件となっています。

    専門実践教育訓練給付金の支給額

    本制度の給付金は、教育訓練で使用した経費の50%が支給されます。給付金の支払い額には上限と下限が設定されており、就学している期間によって条件が変化します。

    上限金額から説明すると、教育訓練期間が1年以下の場合であれば上限は40万円です。教育訓練期間が2年以下であれば上限は80万円、3年以下であれば上限は120万円です。

    さらに、4年以下の長期訓練を行った場合、上限は160万円まで増加します。続いて下限金額ですが、こちらは6か月間の教育訓練経費に適用されて下限額は4,001円です。

    さらに、追加の給付金を受けるためには以下の特定条件が存在します。

    • 専門実践教育訓練を修了
    • 資格の取得
    • 一般被保険者として雇用されている

    これらの条件をすべて満たすことで、最大で経費の70%まで給付金が増加します。

    さらに2024年5月10日に成立した「雇用保険法等の一部を改正する法律」により、2024年10月1日以降、受講後に賃金が上昇した場合、受講費用の10%(合計最大80%)が追加支給されることとなりました。

     

    専門実践教育訓練給付金の対象となる講座

    給付金の対象となる講座は、さまざまな分野と難易度で分類されており、講座数は2,800以上にものぼります。

    それでは、どのような種類に分けられているのでしょうか。ここでは、給付金の対象となる講座を7つに分類して解説します。

    1.専門学校の職業実践専門課程及びキャリア形成促進プログラム

    商業実務や衛生関係、工業関係などの分野に対する専門的な知識とスキルを身につけるためのプログラムです。

    若者がビジネスで自己実現できることを促進する目的で創設されました。

    本プログラムは、企業と協力しながらカリキュラムを組むことが特徴で、実際の職場で求められるスキルを効率的に習得できます。

    それぞれの訓練期間は、職業実践専門課程の訓練期間が2年間、キャリア形成促進プログラムは専門課程であれば訓練期間は1年以上2年未満です。

    特別課程であれば訓練期間は、120時間以上〜2年未満となっています。

    2.業務独占資格・名称独占資格の取得を訓練目標とする養成施設の課程

    介護福祉士や看護師、美容師、保育士といった業務独占資格や名称独占資格にあたる業種を養成する課程です。日本国内における需要の高さや国家資格の取得が義務づけられている職種もあるため、国が給付金を負担する対象としています。

    国家資格が必要な職種として、看護師や美容師があげられます。看護師は医療従事者であり、医師の指導のもとで患者の健康管理や病状の観察、薬の管理、手術の補助などが主な業務です。また、患者やその家族への情報提供や教育、精神的サポートも含まれます。

    一方、美容師は美容業界の専門家で、髪のカットやパーマなどの技術を用いて顧客の髪型や髪の状態を整えます。技術とセンスが求められ、顧客の要望を具現化するためのクリエイティブな思考が必要です。

    このように、看護師や美容師といった資格取得が必要な業種と高い需要が背景にあり、国は費用の一部を補助するようになりました。なお、対象となる教育訓練の期間は、1年以上3年以内です。

    3.専門職大学院

    先進的な専門知識と技術を身につけて、国際的なビジネス環境で活躍できる人材を養成するために設立されました。

    求められる課程は、ビジネスやMOT、知的財産、情報技術など、幅広い分野をカバーしています。

    これは現代のビジネス環境が高度に複雑化しているため、それぞれの分野での知識と技術が重要視されているためです。なお、専門職大学院課程の訓練期間は2年または3年以内となっています。

    4.職業実践力育成プログラム

    大学や専門学校の卒業生に対して、特定分野に関連する専門的な技術を身につけるための訓練プログラムです。

    新卒者が社会に出てから直面する、さまざまな技術的な課題や専門的な知識を修得するためのものです。

    本制度の訓練期間は正規課程では1年以上2年以内、特別課程では120時間以上〜2年未満となっています。

    5.一定レベル以上の情報通信技術に関する資格取得を目標とする課程

    現代のビジネスでは、ITスキルが企業の発展に大きな影響を及ぼします。製品開発やマーケティングなどITの役割は多岐にわたり、業務を効率的に遂行するには高度なITスキルが求められます。

    こうした高度なITスキルが求められる業種として、「エンジニア」があげられます。エンジニアの仕事は多種多様ですが、インフラエンジニアもライフラインを支える重要な仕事です。

    インフラエンジニアは、情報システムの基盤となるネットワークやデータベースなどの構築や設計、保守、運用を行います。システムが安定する環境を整備しながら、最新の技術動向を把握し、必要に応じて既存のシステムを更新または改善します。

    続いては開発エンジニアといい、ソフトやアプリの開発が主な仕事です。ユーザーのニーズに基づいてソフトウェアを設計し、プログラミング言語を使用しソフトウェアのテストとデバッグを行います。

    こうした高度なITスキルを習得するために、ITスキル標準レベル3相当以上の資格取得を目指す課程があります。ITスキルのレベルを客観的に評価し、自身の能力を証明するためのものです。この課程の訓練期間は120時間以上(ただし、ITスキル標準レベル4相当以上のものは30時間以上)とし、2年未満を対象としています。

    6.第四次産業革命スキル習得講座

    将来性の高いITやビッグデータを中心とする分野で、高度な専門性を目指す者にとって理想的な学習の場です。講座の目的は現代ビジネスで必要とされるスキルを習得し、キャリアアップを達成することです。

    講座では、AIやIoT、データサイエンス、高度なセキュリティなど、さまざまなテクノロジー分野の専門知識を学べます

    訓練期間は、30時間以上〜2年未満とされています。

    7.専門職大学・専門職短期大学・専門職学科の課程

    専門職大学や専門職短期大学、専門職学科の課程は、特定の職業に関連する専門的な知識と技術を習得できる学術機関であり、現場で活躍する専門家になることを目指しています。本制度は2019年度から新たに設立され、ほかにはない強みとしては実習の多さです。

    全体の1/3を占める実習時間は、学生が教室で学んだ理論を実際の職業環境で適用し、適応力と実践的なスキルを磨く機会を提供します。

    なお、専門職大学の正規課程や大学の専門職学科の場合の訓練期間は最長4年です。専門職短大の正規課程や短大の専門職学科の場合は、最長3年です。

    専門実践教育訓練給付金の申請方法


    ここでは、給付金の申請方法を初心者の方でも理解しやすい内容で紹介します。

    1.受給資格確認

    給付金の申請は、受給資格の有無を確認することから始めます。受給資格の確認を行わなければ、給付金の対象者であるかどうかの区別がつきません。

    確認作業は居住地に基づいて管轄されているハローワークで実施できます。

    具体的には、該当するハローワークの担当者が個人情報を確認し、受給資格の有無を判断します。

    この確認作業を通じて、「自分自身が給付金対象者かどうか」が明確になるため、次のステップに進むには避けて通れない作業です。

    2.ジョブ・カードの作成、キャリアコンサルティングを受ける

    給付金の申請手続きを行うには、ハローワークで「訓練前キャリアコンサルティング」を受けなければなりません。

    また、このときにジョブ・カードの作成も行います。ジョブ・カードとは厚生労働省の施策を利用する際に必要となるカードで、職業能力の証明機能も備わっています。

    3.専門実践教育訓練の申し込み

    ジョブ・カードの交付後、受講開始日の2週間までに書類をハローワークに提出する必要があります

    また、申し込みの際には受講費用(入学金・教材費・授業料)を全額支払わなければなりません。

    そして、教育訓練を行う施設には必ず「専門実践教育訓練給付金の制度を利用する」と明確に伝えましょう。

    事前に施設に伝えていなければ、「受講証明書」のスムーズな受け渡しができずにトラブルに発展する可能性もあります。

    4.専門実践教育訓練の受講と給付金の申請

    給付金の支給申請は、受講が始まってから6か月ごとに行います

    申請の提出期日は、6か月間の訓練が完了した翌日から1か月以内です。

    給付金の申請には、施設側からもらえる「受講証明書」が必要です。

    もしも、何らかの事情で給付金申請の書類をハローワークに提出できない場合は、代理人または郵送でも手続きが可能です。

    5.追加給付(条件を満たした場合)申請手続き

    給付金の追加給付は、一部の条件を満たせば20%、さらに受講費用の10%の増加が可能です。

    該当する条件は3つあり、専門実践教育訓練の修了、資格取得、一般被保険者として雇用されることです。

    追加給付を受けるには、ハローワークに追加給付用の申請書と証明書の類を提出します。

    6.雇用後、追加分の申請手続き

    給付金の追加分の申請手続きは、一般被保険者として企業に雇用された後に行うのが一般的です。

    ただし、申請は雇用されてから1ヵ月以内といった期限があるため、申請漏れに注意が必要です。したがって、給付金の追加分申請は雇用後すぐに手続きを行うと覚えておきましょう。

    専門実践教育訓練給付金に関する提出書類

    給付金の申請には、必要書類の提出が不可欠です。書類に不備や漏れがあると給付の支給が遅延するばかりか、最悪の場合は期限切れとなり給付されないかもしれません。以下では給付金に関する提出書類を説明します。

    受講前に必要な書類

    給付金の申請を行うにあたって、事前にいくつかの書類が必要です。これらの書類は申請手続きの基礎となるもので、すべてが重要な役割を果たします。

    • 教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票:個人番号(マイナンバー)の記載が必要
    • ジョブ・カード:訓練前キャリアコンサルティングでの発行から1年以内のもの
    • 本人・住所確認書類:マイナンバーカード、運転免許証、住民基本台帳カード等の官公署が発行する身分証明書・資格証明書(本人写真付き)のいずれか1種類
    • 個人番号確認書類:マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載のある住民票の写し
    • 身元(実在)確認書類:マイナンバーカード、運転免許証、官公署が発行する身分証明書・資格証明書(本人写真付き)など
    • 写真2枚
    • 振込先の金融機関の通帳・キャッシュカード
    • ※専門実践教育訓練給付及び特定一般教育訓練給付再受給時報告:過去に専門実践教育訓練給付金または特定一般教育訓練給付金を受給したことがある場合に提出が必要
    • ※委任状:代理人による手続きの場合に提出が必要です。あわせて、代理人の身元(実在)確認書類も提示・添付

    これらの書類(※は該当する方のみ)はすべて申請手続きに必須であり、ひとつでも欠けていると申請手続き自体ができない場合があります

    したがって、不明な点や疑問がある場合はハローワークの担当者に早めに確認しましょう。

    教育訓練支援給付金とは…専門実践教育訓練給付金の受給資格者で45歳未満の失業者に対し、受講期間中の生活をサポートする制度です。雇用保険基本手当日額の80%を受講期間中支給するもので、2025年3月31日までに受講開始する講座であることが条件になります。また2025年4月1日以降に受講開始する講座は雇用保険基本手当日額の60%支給と割合が変更となります。なお、この制度は2027年3月31日までの延長期限となります。

    申請時に必要な書類

    給付金の申請には、以下に示す書類が必要です。

    • 教育訓練給付金支給申請書
    • 教育訓練給付金の受給資格者証または教育訓練受給資格通知
    • 受講証明書
    • 教育訓練実施者が発行する教育訓練経費に係る領収書
    • 教育訓練経費等確認書
    • ※マイナンバーカード
    • ※返還金明細書
    • ※委任状

    申請を行う前に上記書類(※は該当する方のみ)が揃っているかを確認し、不明な点や疑問がある場合はハローワークの担当者に相談しましょう。

    専門実践教育訓練給付金の支給申請時期

    給付金の申請は、受講開始日から6か月ごとに行う必要があります。

    また、6か月間(支給単位期間)の訓練が終了したあと、その翌日から1か月以内に申請を行わなければなりません。

    支給申請は期間内に行い、申請の際は「教育訓練給付金支給申請書」をハローワークに提出します。

    専門実践教育訓練給付金の支給はいつ?

    ハローワークで申請が承認されると、7日以内に本人が指定した普通預金の口座に振り込まれます

    支給が遅延すると、申請者の生計や学習意欲に影響を及ぼす可能性があるためです。

    そのため、ハローワークは申請承認後の迅速な支給に努めています。

    仙台工科専門学校は建築・大工・測量・土木分野において本制度の指定校です

    本校の大工技能学科、建築デザイン学科、測量学科、環境土木工学科は専門実践教育訓練給付金制度の指定校です。

    1年課程の測量学科は最大64万円、2年課程の建築デザイン学科、大工技能学科、環境土木工学科は最大128万円の支給を受けることが可能です。

    詳しい内容は下記記事をご確認ください。

    ▲社会人の方へ|在職中から使える『専門実践教育訓練給付金制度』のご紹介|仙台工科専門学校お知らせ

     まとめ

    専門実践教育訓練給付金について解説しました。本制度は自己成長や仕事における自己実現を目指す方のために提供され、多くの人々が利用しています。

    専門実践教育訓練給付金を利用した教育訓練は、現代ビジネスで必要であるスキルを習得するための理想的な場となります。

    現在、自分のキャリアアップやスキル向上を考えている方は、今回の記事を参考に自分を成長させるヒントとして捉えてください。

     

    ▲専門実践教育訓練給付金制度について知るならオープンキャンパスへ

     

    この記事の監修者
    仙台工科専門学校

    仙台駅から徒歩7分。情報・建築・インテリア・大工・測量・土木が学べる専門学校です。
    「建築・大工・測量・土木・情報」の7学科を設け、充実した環境の下で行われる現場さながらの実習で即戦力となる技術を習得。きめ細かい試験対策で国家資格取得を目指し、業界の最前線で活躍する人材を育成します。

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