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IT業界の急速な発展に伴い、プログラマーは需要の高い職種として注目を集めています。しかし、AI技術の進化により「プログラマーの仕事はなくなるのでは?」といった将来性への懸念を抱く方もいるでしょう。
そこで本記事では、プログラマーの将来性が高いといえる理由や、市場価値を高めるために習得すべきスキルについて詳しく解説します。プログラマーをめざす方や、将来に不安を感じている方はぜひ参考にしてください。
プログラマーの現状は?

データセンターでコードを確認するIT専門家たち – 深刻化するIT人材不足の現場
現代では、多くの企業でIT人材の不足が深刻化しています。
IPA(情報処理推進機構)の「DX白書2023」によると、DXを推進する人材の「量」と「質」の両面で、約8割以上の企業が不足を感じていると報告されています。この人手不足は今後も継続すると予測されており、特に高度なスキルを持つプログラマーの市場価値はますます高まるでしょう。
プログラマーとして市場価値を高めるには、専門知識を体系的に学ぶことが不可欠です。大学や専門学校では、プログラミングの基礎はもちろん、データベース、セキュリティ、ネットワークといった幅広い分野を学べます。
理論的な知識と実践的なスキルをバランス良く習得できるため、将来のキャリアパスを広げることにつながります。
プログラマーの将来性が高いといわれる4つの理由

上昇する需要グラフとDX化を表す未来型デジタルインターフェース – プログラマー需要の将来性
プログラマーの将来性が高いといわれる4つの理由を紹介します。
- プログラマーの人材不足が問題となっている
- 需要が大幅に低下する可能性は低い
- 35年定年説が崩壊しつつある
- 企業のDX化が進んでいる
プログラマーの人材不足が問題となっている
プログラマーの将来性が高い理由として、まず挙げられるのがIT業界全体における深刻な人材不足です。
経済産業省の調査によると、2030年には約79万人ものIT人材が不足する可能性があると予測されています。この背景には、少子高齢化による若年労働者の減少があり、人材不足は今後さらに深刻化すると考えられます。
需要が大幅に低下する可能性は低い
AIや自動化技術の進展は目覚ましいものがありますが、プログラマーの需要が大幅に低下する可能性は低いと考えられます。
その理由として、IT業界の人材不足が依然として深刻であり、解消の見通しが立っていない点が挙げられます。高度なスキルを持つプログラマーは、今後も企業にとって貴重な戦力であり続けるでしょう。
さらに、近年では新しい技術やプログラミング言語を学ぶためのオンライン学習サービスなどが充実し、学習コストが低下しています。プログラマーは常に最新のスキルを習得しやすくなり、市場の変化に柔軟に対応できるため、キャリアの選択肢を広げられるでしょう。
35年定年説が崩壊しつつある
プログラマーの将来性が高いといわれる背景には、「プログラマー35歳定年説」が過去のものとなりつつある現状があります。
以前は、プログラマーの仕事は体力的な負担が大きいこと、また技術の進歩が速く、年齢を重ねると新しい技術への適応が難しくなるといった理由から、35歳がキャリアの限界とされていました。しかし現在では、豊富な経験を持つベテランプログラマーが、第一線で活躍しているケースが多く見られます。
特にIT業界全体で人材不足が深刻化している現在、企業は経験豊富なプログラマーを貴重な戦力として求めているケースが多いです。年齢にかかわらず、継続的にスキルアップを図ることで、長期的なキャリアを築ける可能性が高まっています。
企業のDX化が進んでいる
プログラマーの将来性が有望視される理由として、多くの企業でDX(デジタルトランスフォーメーション)が積極的に推進されている現状が挙げられます。
企業がデジタル技術を活用してビジネスモデルや業務プロセスを変革する動きが加速しており、それに伴い、ITシステム開発の需要が大幅に増加しました。具体例としては、医療分野におけるAIを活用した診断支援システム、農業分野における人手不足を解消するためのロボット技術導入などが挙げられます。
こうした企業のDX推進に伴い、スキルの高いプログラマーの需要は今後も高まり続けるでしょう。
プログラマーの将来性を懸念する主張

AIと人間のプログラマーが共存する様子 – 技術発展における懸念と現実
プログラマーの将来性が高いとする見解もある一方、懸念する声も上がっています。ここでは、プログラマーの将来性を懸念する主張を4つ紹介します。
- AIに仕事を奪われる可能性がある
- プログラマーが飽和している
- プログラミングの自動化が進んでいる
- オフショア開発が普及している
AIに仕事を奪われる可能性がある
AI技術の急速な進化により、プログラマーの仕事の一部がAIに代替されるのではないかという懸念の声も存在します。しかし、現時点において、プログラミングの仕事全てがAIに奪われる可能性は低いと考えられています。
確かにAIは仕様書に基づいた定型的なコーディング作業が得意です。しかし、システム開発全体の設計、顧客の要望に応じた柔軟な対応、創造性を要する業務などにおいては、人間ならではの判断力や発想力が求められます。
さらに、AI技術そのものを開発・運用するためには高度なプログラミングスキルが必須です。AIの機械学習に必要なデータ収集、AIへの学習プログラムの作成など、プログラマーの専門知識が求められる新しい分野も拡大しています。
最新のAIツールとプログラマーの関係
ChatGPTやGitHub Copilotなどの最新AI技術は、プログラマーの仕事を奪うのではなく、強力な「協力ツール」として機能しています。
2024年の調査では、これらのツールを活用するプログラマーの約8割が生産性向上を実感しています。 AIは定型的なコード生成やデバッグを支援しますが、システム設計や創造的な問題解決は依然として人間の専門知識が必要です。むしろ、AIツールを使いこなせるプログラマーの市場価値は高まっています。
プログラマーが飽和している
プログラマー市場は飽和状態にあるという意見も聞かれます。しかし、企業が求める高度なスキルを持つプログラマーは不足しており、依然として需要は高いです。
前述の通り、複雑なシステム開発、AI技術自体の開発、クライアントのニーズに合わせたカスタマイズなどには、人間の専門知識と経験が不可欠です。
ただ、プログラミングスキルの習得には個人差があり、誰もが高度なスキルレベルに到達できるわけではありません。市場で求められる水準のスキルを持つプログラマーの需要は、今後もあり続けることが予想されます。
プログラミングの自動化が進んでいる
ノーコード・ローコードツールや自動コード生成技術は目覚ましい進化を遂げ、簡単なプログラミング作業を代替できるようになってきました。
しかし、大規模なシステム開発、特殊な要件への対応、既存システムとの連携など、複雑で高度なプログラミング作業は、依然として人間のプログラマーにしかできない領域です。
自動化ツールは、プログラマーの作業を全て奪うものではなく、むしろ生産性を向上させるための強力なサポートツールとして活用できます。ツールを使いこなし定型的な作業を効率化すれば、より創造的な業務や高度な技術を要する開発に集中できるようになるでしょう。
オフショア開発が普及している
プログラマーの将来性を考える上で、オフショア開発の普及も考慮すべき要素の一つです。
オフショア開発とは、人件費の安い海外の企業や人材に、システム開発などの業務を委託する手法です。コスト削減のメリットがある一方で、言語や文化の違いによるコミュニケーションの障壁、品質管理の難しさといった課題も存在します。
こうした課題から、国内での開発が見直されるケースや、オフショア開発と国内開発を組み合わせるハイブリッド型の開発体制を採用する企業も増えています。
そのため、国内プログラマーの需要が完全になくなることはないと考えられており、高度なスキル、特に要件定義やプロジェクトマネジメントといった上流工程のスキルを持つプログラマーは、今後さらに重宝されるでしょう。
プログラマーとしての価値を高める方法

複数のプログラミング言語とAI関連スキルを表す図解 – キャリア価値を高めるスキルマップ
プログラマーとしての価値を高める方法を紹介します。
- 需要の高いプログラミング言語を習得する
- AIの開発・活用スキルを身に付ける
- プログラミングと他のスキルを組み合わせる
- セキュリティに関する知識を習得する
需要の高いプログラミング言語を習得する
市場価値の高いプログラマーをめざすなら、需要の高いプログラミング言語の習得が重要です。
Web開発のJavaScript、AI・データ分析のPython、基幹システム・AndroidアプリのJava、組み込み・ゲーム開発のC言語などは、安定した需要が今後も続くと予測されます。
プログラミング言語は200種類以上あり、需要に大きな差があります。求人数の多い言語を習得することが、自身の市場価値を高める近道です。
ニッチな言語で専門性を高める戦略も有効ですが、まずは汎用性が高く需要の大きい言語を中心にスキルを磨くことが、安定したキャリアにつながるでしょう。
効率的な習得には、専門学校での学習もおすすめです。例えば、仙台工科専門学校の情報システム学科、高度情報システム学科では、実践的なカリキュラムで需要の高い言語を体系的に学べます。
仙台工科専門学校 情報システム学科:https://sks.ac.jp/course/information-system/
仙台工科専門学校 高度情報システム学科:https://sks.ac.jp/course/advanced-information-system/
AIの開発・活用スキルを身につける
プログラマーとして活躍し続けるには、AI技術の理解と活用が重要です。機械学習やディープラーニングの習得は簡単ではありませんが、AI開発需要は拡大しています。
近年注目のMLOps(機械学習基盤)エンジニアは、機械学習モデルの開発・運用を円滑に進めるポジションです。クラウドインフラ構築、CI/CDツール活用などのスキルが求められます。
AI技術、特にMLOps関連のスキル習得は、今後のプログラマーとしての市場価値を大きく高めるでしょう。
プログラミングと他のスキルを組み合わせる
プログラマーとして長く活躍するためには、プログラミングスキルだけではなく、他のスキルとの組み合わせが重要です。
特に、プロジェクトマネジメントやリーダーシップに関するスキルを習得することで、システム開発の上流工程や、チームを率いる立場を任される機会が増えるでしょう。
複数のスキルを組み合わせることで、活躍の場が広がり、プログラマーとしての市場価値をさらに高められます。
セキュリティに関する知識を習得する
セキュリティに関する知識・スキルを習得することは、プログラマーとしての市場価値を高める上で非常に有効です。
現代社会において、サイバーセキュリティの重要性はますます高まっており、企業や組織のセキュリティ対策強化は急務です。そのため、脆弱性診断、インシデント対応、セキュアなプログラミングといったスキルは、今後ますます需要が高まると予測されます。
セキュリティ分野に特化した学習や資格取得は、キャリアアップに直結し、競争力の高いプログラマーとして活躍するための大きな強みとなるでしょう。
プログラマーのスキルアップにつながる試験5選

資格証書と学習中のプログラマー – キャリアを加速させる試験と認定資格
プログラマーの将来性を高めるには、スキルアップにつながる試験への挑戦もおすすめです。ここでは、プログラマーのスキルアップに有効な試験5つを紹介します。
- 情報セキュリティマネジメント試験
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
- Python3エンジニア認定基礎試験
- Java™プログラミング能力認定試験
1. 情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験は、サイバー攻撃から組織を守るための国家試験です。計画や運用、評価、改善などのスキルを認定し、情報漏えいリスクの低減やトラブル対応能力を証明します。
高度化するサイバー攻撃に対応するため、情報セキュリティの確保は企業にとって重要課題です。試験に合格すれば信頼性の向上につながり、市場価値の高いプログラマーとして活躍できるでしょう。
2. 基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、プログラマーやエンジニアとしてキャリアを築くための重要な国家資格です。この試験では、コンピューター科学やネットワーク、データベースなどの基礎知識が問われます。
試験に合格することで、IT業界で求められる基本的な知識や技能を身に付けていることの証明が可能です。
実務に役立つ知識が幅広く出題されるため、計画的に学習することが重要です。
3. 応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験で、高度IT人材に必要な応用的知識とスキルを評価します。
試験ではITを活用した戦略立案や信頼性の高いシステム構築など、実務に直結する内容を問われるのが特徴です。
基本情報技術者試験の上位に位置しており、さらに上級の専門知識を求められるITストラテジストやシステムアーキテクトへのステップにもなります。
応用情報技術者試験に合格することで、専門家へと進むための強固な基盤が築けるでしょう。
4. Python3エンジニア認定基礎試験
Python3エンジニア認定試験はPythonエンジニア育成推進協会が実施する資格試験で、Python3に関する基礎から実践的なスキルを問われます。
試験内容は基礎試験や実践試験、データ分析試験、PythonZen & PEP8検定試験の4種類です。
PythonはAI開発やデータサイエンス、ブロックチェーン技術などの先端分野で活用されており、その需要は今後さらに高まると予想されています。この試験に合格することで、より多くの業界で新しい仕事を得るチャンスが広がるでしょう。
5. Java™プログラミング能力認定試験
Java™プログラミング能力認定試験は、サーティファイ情報処理能力認定委員会が主催する民間資格で、Javaに関する知識とコーディング力を評価します。
試験は1~3級の3つのレベルに分かれており、3級は初心者でも挑戦しやすいのが特徴です。1級では実技試験があり、より高度なスキルが求められます。
Javaはアプリ開発や大規模システムなど幅広い分野で使用されるため、この資格を取得することで多くの業界で役立つスキルを持っていると証明することが可能です。
スキルを身につけて将来性の高いプログラマーをめざそう
IT業界は常に進化を続けており、企業のDX推進が加速する現代において、プログラマーは非常に需要の高い職種です。多くの企業でIT人材が不足しており、優秀なプログラマーには幅広い活躍の場が開かれています。
しかし、AIによるプログラミングの自動化といった新たな動きも見られるため、市場価値の高いプログラマーであり続けるためには、常にスキルアップを図ることが重要です。
将来にわたって活躍できるプログラマーをめざすには、中長期的なキャリアプランを明確にし、市場のニーズに合ったスキルを着実に習得していくことが求められます。
仙台工科専門学校では2025年情報システム学科/高度情報システム学科を新設し、プログラマーをめざす方をサポートしています。この学科では、初心者からAIやITをしっかり学んで、プロになるカリキュラムを用意しています。ITスキルの習得やAIシステムについての知識や開発技術だけでなく、適切なプロンプトを設計するための論理的思考力を養う授業も行うため、AIの開発、活用技術を身につけたAIを制する人材をめざせます。
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